飲食店のChatGPT活用15選

飲食店のChatGPT活用15選

 

「飲食店でChatGPTを使うって、具体的に何を頼めばいいの?」

気にはなるけれど、調理や接客で忙しい毎日の中で、どこから使えばいいのか分からない。そんな方もいると思います。

僕は島根で漁師をしながら、「海鮮 海彦」という飲食店を経営しています。商品のことを考えたり、店の情報を発信したり、スタッフが使う仕組みを整えたり。料理を作る以外にも、経営者が考える仕事はあります。

その中で、僕自身もChatGPTを使っています。便利だったこともありますが、思っていたものと違う答えや、事実と違う説明が出てきたこともありました。

この記事では、飲食店で使える15の方法を、僕が実際に試したものと、これから試せる活用案を分けて紹介します。

先にお伝えしたいのは、AIを使うこと自体が目的ではないということです。店の仕事を少しでも良くするために使う。そのくらいの距離感が、僕には合っています。

 

飲食店でChatGPTを使っても、魚をさばくのは僕自身

飲食店のChatGPT活用15選

 

今、僕が店の仕事で大きな負担だと感じているのは、魚をさばく量が多いことです。

これは、ChatGPTにお願いしても代わってもらえません。自分で手を動かすしかない仕事です。

だからこそ、料理以外の仕事をどう進めるかを考えたい。
・POPの案を作る
・説明文を整える
・数字を整理する。
そうした仕事でAIが役に立つなら、試す意味があると思っています。

実際に試したのは、今回の15例のうち、メニュー説明、POP・チラシ、Webの告知、余った食材の活用、料理名、売上の振り返り、日報、改善の優先順位の8つです。

ただし、試したことと、使いこなして成果が出ていることは別です。
日報や原価計算表は、これから経営の道具として使いこなしていく段階にあります。

小さな会社全体での使い方は、第1記事「小さな会社でAIを使う方法10選|実際に経営の現場で使って分かったこと」で紹介しています。
今回は、飲食店の日々の仕事に絞って考えてみます。


集客やお知らせの文章を、白紙から考える負担を減らす

1.SNS投稿文のたたき台を作る【活用案】

料理の写真はあるのに、投稿する文章が決まらない。
そんなときは、文章の最初の案を頼む使い方があります。

伝えるのは、料理名、特徴、誰に読んでほしいか、文章の長さ。
実際に提供している情報を渡すのが出発点です。

入力例:今日おすすめしたい料理の情報を、下に書きます。この情報だけを使って、SNS投稿文を150字程度で3案作ってください。親しみやすい文章にして、産地・価格・提供期間など、書いていない情報は足さないでください。

「毎日限定」「今しか食べられない」などの表現が出てきても、本当にそう言えるかは確認が必要です。最後に店の言葉に直してから使います。

 

2.季節の魚や料理のメニュー説明を作る【実際に試した】

僕も、料理の説明を考えるときにChatGPTを使っています。
ただ、ここはうまくいかなかったことも多い使い方です。

ありもしないことが書かれていたり、僕が思っていた説明と違ったりしました。

文章が自然だと、そのまま使えそうに見えます。
でも、お客様に伝える説明として正しいかは別の話です。

そこで、頼むなら「実際の食材」「調理方法」「伝えたい特徴」を先に渡し、「この情報以外は加えない。
不明な点は質問する」と条件を付けるのがおすすめです。それでも確認は省けません。

仕入れ先、味付け、量、提供方法を知っているのは店側です。
説明文の最終確認も、店側の仕事だと思っています。

 

3.店内POP・チラシの案を作る【実際に試した】

僕が特に助かったと感じているのが、店内POPやチラシの制作です。

以前は、デザイナーさんにお金を払ってお願いしていました。
費用だけでなく、毎回の確認やメッセージのやり取りにも時間がかかっていました。

ChatGPTを使うようになって、自分が思っているものをすぐに形にできるようになった。
ここは、僕自身が変化を感じたところです。

読者の方が試すなら、まず「何を知らせたいか」「どこに置くか」「何をしてほしいか」を整理して渡してみてください。
見出し、短い説明、配置の案があるだけでも、考えやすくなります。

画面で良く見えても、店に置いたときに読めるかは確認したいところです。
文字の大きさ、価格、日付、印刷したときの見え方まで確かめて完成にします。

 

4.ホームページ・ブログの告知文を整える【実際に試した】

ホームページやブログに載せる文章づくりにも使っています。
伝えたいことを箇条書きにして、順番や言い方を相談する使い方です。

店側は事情を知っているので、つい説明を省いてしまうことがあります。
「初めて読む人に分かるか」という視点を足すのにも使えます。

入力例:以下のお知らせを、初めて来店する人にも分かる文章に整えてください。日時、場所、料金、申込方法は変更しないでください。情報が足りないところは、推測せず確認事項として出してください。

営業時間や予約方法など、来店に関わる情報は特に確認します。
文章が整っていても、案内が間違っていればお客様を困らせてしまいます。

 

5.口コミ返信の下書きを考える【活用案】

口コミに何と返したらよいか迷う場合は、返答の下書きを相談する方法もあります。

ただし、店で起きたことをAIが知っているわけではありません。
事実を確認し、店としてどう対応するかを決めたうえで、言葉を整えるために使います。

相手の名前などは省き、公開してよい内容だけを渡す。
「対応できない約束を加えない」と頼むのも大切です。

特に不満への返信は、きれいな文章を作って終わりにしないこと。
実際の対応が伴っているかを、店側で確かめたいところです。

 

商品やメニューを考えるときの相談相手にする

6.新メニューの候補を出す【活用案】

新メニューを考えるなら、食材だけでなく、設備や仕込みに使える時間も条件として渡すと、検討する範囲を絞れます。

たとえば「今ある設備で作りたい」「注文後の作業を増やしすぎたくない」「一人でも提供しやすい」といった条件です。

出てきた案は、試作の候補として扱います。
実際においしいか、提供時間が合うか、原価が見合うかは、試して確かめる必要があります。

店で続けて出せる料理にするところまで、人が考える使い方です。

 

7.余った食材の活用案を整理する【実際に試した】

僕も、余った魚などの活用方法をAIに相談しています。
同じ食材でも、料理として出すのか、加工品として考えるのかで、候補は変わります。

こういう相談では、先に「余った食材を必ず使い切る」という結論を決めないほうがよいと思います。

仕込みが増える、別の材料が必要になる、売る場所がない。
案を形にするために、新しい負担が出ることも考えたいからです。

食材の状態や保存履歴は、文章だけで安全と判断できるものではありません。
AIに相談するのは活用の候補。使える食材かどうかの確認は、現場で行います。

未利用魚や水産加工品の商品化については、後の記事で詳しく書く予定です。

 

8.料理名・おすすめの伝え方を考える【実際に試した】

料理名や、商品の良さの伝え方を考えるときにも使っています。

作り手には当たり前の特徴でも、お客様には伝わっていないことがあります。
何を見出しにすると分かりやすいか、違う言い方を並べて比較する使い方です。

「短い名前」「料理が想像できる名前」「親しみやすい説明」など、方向を変えて頼めます。

ただ、目立つ言葉にするために、実際以上の特徴を付け加えてしまわないように注意します。
産地や調理方法など、根拠が必要な言葉は確認してから使います。

 

飲食店のChatGPT活用15選

 

数字を整理し、経営判断の材料を作る

9.原価計算の項目や表の作り方を整理する【活用案】

原価計算では、計算を頼む前に「何を入れるか」を整理する使い方があります。

材料の仕入価格、購入量、一食に使う量、調味料など。
テイクアウトなら容器や袋も、商品ごとの採算を見る際の確認項目になります。

僕も原価計算表に取り組んでいますが、これから使いこなしていく段階です。
すでに原価管理が改善した、と言える状況ではありません。

原価の数字は、実際の仕入れや使用量が出発点です。
AIに表や計算式の案を頼んでも、元の数字と計算結果は表計算ソフトなどで確認します。

なお、販売価格から食材原価だけを引いた金額が、そのまま店の最終利益になるわけではありません。人件費や家賃なども支払う必要があります。

 

10.値上げした場合の比較表を作る【活用案】

値上げを考えるときは、価格だけでなく、販売数が変わった場合も並べて考えたいところです。

「販売数が変わらない場合」「少し減る場合」など、仮の条件で比較表を作る相談ができます。

大切なのは、その表が予測ではなく、条件を置いた試算だと理解しておくことです。
お客様がどう反応するかを、AIが保証するわけではありません。

原価、店の客層、料理の満足度も含めて、最後は店側で判断します。
値上げの考え方は、後の記事で詳しく書く予定です。

 

11.売上・客数・客単価の振り返りを整理する【実際に試した】

売上などの数字を振り返る際にも、ChatGPTを使っています。
数字を並べて、何を確認すればよいかを相談する使い方です。

売上が下がったとしても、お客様の数が減ったのか、一人あたりの注文金額が変わったのかで、考えることは違います。

月の合計だけでなく、営業日数、ランチとディナー、曜日など、比較の条件をそろえることも必要です。

頼むなら、「数字から分かること」「まだ分からないこと」「追加で確認すること」を分けて出してもらうと整理しやすくなります。

売上の変化だけで原因を決めつけず、店で起きていたことと照らし合わせます。

 

スタッフに伝える仕事と、店の仕組みを整える

12.日報の項目や入力の仕組みを考える【実際に試した】

僕は、AIと相談しながら日報の仕組みづくりにも取り組んでいます。

日付、勤務時間、作業内容、作業にかかった時間を入力できる形を考えました。
一つの作業だけで終わらず、必要に応じて作業欄を追加できる仕組みです。

今は、これから使いこなしていく段階です。
日報を作っただけでスタッフ管理が良くなった、という話にはできません。

実際に続けて使えるか、記録したものを経営にどう役立てるか。
そこまで取り組んで、良い道具にしていきたいと思っています。

日報は、書いてもらう負担もあります。
「何を知るために記録するのか」を決めてから項目を選ぶのがおすすめです。
この取り組みは、第5記事で詳しく書く予定です。

 

13.新人向けの作業手順を文章にする【活用案】

新人に教える手順を整えるなら、実際の作業を箇条書きで渡し、順番や説明を分かりやすくする使い方があります。

AIに店の手順を一から想像させるより、店で行っていることを渡して整えてもらうほうが、確認しやすくなります。

文章にしたら、実際にその順番で動けるかを確かめます。
器具の場所、作業のタイミング、衛生面などは、店の環境に合わせる必要があります。

魚をさばくような作業なら、文章だけですべてを教えることはできません。
実演と組み合わせる補助資料として考えます。

 

14.スタッフへの連絡文を分かりやすくする【活用案】

変更事項やお願いを伝える文章も、整理を相談できる仕事です。

「何が変わるか」「いつからか」「誰に何をしてほしいか」を渡し、短い連絡文にしてもらいます。

読んだ人が、次に何をすればよいか分かる文章になっているかを確認します。

個別の注意や込み入った話は、文章だけで済ませてよいかも考えたいところです。
言い方を整えることと、相手と話すことは別の仕事です。

 

15.やりたい改善の優先順位を一緒に整理する【実際に試した】

やりたいことが増えたとき、何から進めるかを整理する相談にも使っています。

小さな店では、良さそうな案があっても、同時に全部進めるのは難しい。
お金だけでなく、自分やスタッフの時間にも限りがあります。

そこで、改善したいことを並べて、「必要な費用」「作業の量」「期待する変化」「まだ分からないこと」を整理してもらいます。

AIは僕の体力や、その日の仕込み量まで分かっているわけではありません。
提案された順番をそのまま採用せず、今の店で実行できるかを考えて選びます。

 

飲食店で最初に試すなら、POP一つからでもいい

飲食店のChatGPT活用15選

 

15個を全部使う必要はありません。
僕の経験から入口としておすすめしたいのは、店内POPなど、一つの伝えたいことを形にする仕事です。

僕自身、外注でかかっていた費用や、確認のやり取りに負担を感じていました。
だから、考えたものをすぐに形にできることが助けになりました。

まずは、次のように頼んでみてください。
これは実際の会話の引用ではなく、試すための入力例です。

店内POPの案を作りたいです。
目的:この料理に興味を持ってもらうこと。
載せる情報:料理名、価格、実際の特徴を下に書きます。
作ってほしいもの:短い見出し3案、説明文、文字の配置案。
条件:離れた場所からも読みやすく、文字を詰め込みすぎない。入力していない特徴は加えない。不明な点は質問してください。

出てきた案を見て、「料理名をもっと目立たせたい」「この説明はうちの店に合わない」と直していきます。
最初から全部を任せるより、一つずつ確かめるほうが使いやすいと思います。

完成までの時間だけでなく、修正や確認の手間も含めて、自分の仕事に役立ったかを振り返ってみてください。

 

ChatGPTの答えをそのまま使わないための確認

文章が自然でも、店の事実と合っているかを見る

僕がメニュー説明で困ったのは、ありもしない内容が出てきたことでした。
この経験からも、読みやすさと正しさを分けて考えたいと思っています。

OpenAIの公式案内でも、ChatGPTが間違うことはあると説明されています。
店の案内として使う以上、産地、価格、調理方法、営業時間などは自分で照合します。

参考:OpenAI公式:ChatGPTの学習とプライバシーについて

 

お客様やスタッフの情報は、必要な範囲に絞る

相談に名前や連絡先が必要なければ、削除してから入力する。
「スタッフA」のような表記で済む話なら、それで相談できます。

利用するアカウントのデータ設定も確認しておきたいところです。

OpenAIの公式案内では、ChatGPTの「設定」から「データコントロール」を確認でき、会話をモデルの学習に使用するかを選べると説明されています。
利用できる設定はプランなどによって異なります。

設定を確認したうえで、そもそも入力する必要がある情報かも考えます。

参考:OpenAI公式:ChatGPTのデータ管理(2026年10月1日確認)

 

味、衛生、数字、現場で回せるかは人が確かめる

料理案が良さそうでも、味や食材の状態は現場で確認します。
アレルギーの案内も、実際の材料や調理工程に基づいて確認する必要があります。

数字は元の資料と計算方法を確認し、仕事の手順は実際に動いて確かめる。
AIの答えを、使える形にするところまでが店の仕事です。

AIに任せてはいけない仕事については、第10記事で詳しく書く予定です。

 

僕がAIに期待しているのは、少ない人数でもできることが増えること

魚をさばく量が多い。これは今の僕にとって、はっきりした負担です。

ChatGPTがその場に来て、包丁を握ってくれるわけではありません。
それでも、POPや文章、日報の仕組みづくりで相談できることには価値を感じています。

僕も、全部を使いこなしているわけではありません。
日報や原価計算表は、これから良い経営の道具にしていきたいと思っています。

AIの一番大きな価値は、人を減らすことよりも、少ない人数でもできることを増やすこと。

料理や接客を担う人がいる。
そのうえで、今まで手が回らなかった仕事にも取り組めるようにする。僕は、そういう使い方をしていきたいです。

 

まとめ:今日困っている仕事を、一つ選んでみる

飲食店のChatGPT活用は、文章、商品やメニュー、数字、スタッフへの伝達や仕組みづくりなど、いくつかの仕事に分けて考えられます。

僕が助かったのは、POPやチラシを、自分の考えに合わせてすぐ形にできるようになったこと。
一方で、料理説明には事実と違う内容が混ざり、確認が必要でした。

便利なところも、困るところもあります。
だから、まずは自分が繰り返し困っている仕事を一つ選び、下書きや整理を頼んでみるのがおすすめです。

使ってみて、合わなければ頼み方を変える。
現場に合う形に直す。僕自身も、その試行錯誤を続けています。

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